ユーリです!(@firipedia18)
今回は、フィリピン人の中心的な価値観を掘り下げてみたいと思います。
その価値観がフィリピン人の生き方を形づくり、歴史と文化に深く影響を与えています。
また、現代のフィリピン社会でもその「価値観」の重要性は変わらず、大きな役割を果たしています。
この記事では、フィリピンの価値観の中で特に重要とされるものに焦点を当てて詳しく説明します。その価値観がなぜ重要であるのか、そして、それがフィリピン社会全体にどのように影響を及ぼしているのか、具体的な例を用いて解説します。
きっと日本人とは異なる、その価値観に興味を持ってもらえるはず。
最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!
フィリピン人の価値観とは?
フィリピン人の価値観とは、フィリピン人がフィリピン人の生き方を形成する共通の信念や態度のことです。フィリピンの歴史と文化に深く根ざしていて、今日もフィリピン社会で重要な役割を担っています。
それらは、自分たちの存在意義を明確にして帰属感を育て、日常生活におけるガイドライン(生き方・行動)を提供します。さらに、社会全体の調和と協調を実現するための手段にもなります。
つまり「自分たちはどこの誰であり、どう行動するか?」ということですね。
9個のフィリピン文化
フィリピンの文化を理解したいのであれば、フィリピン人の価値観について学ぶことが重要です。
フィリピン人の価値観は、フィリピン人のアイデンティティの重要な部分を占めています。その価値観こそが、フィリピン人の考え方、行動、そして周りの世界との関わり方を形作っているのです。
Bayanihan(バヤニハン):共同作業
バヤニハンとは、共同体の団結と協力の心です。フィリピン人は、離れているよりも一緒にいた方が強いという考え方を持っています。
この価値観は、自然災害の後に、フィリピン人が一丸となって隣人を助けるなど、困った時によく見られる行動です。
コロナで外出規制や食料の確保が困難なときにも、すぐさま困っている人を助けるためのボランティアを結成するなど、団結力の強さを感じました。
Kapwa(カプワ):他社とのアイデンティティ共有
カプワとは、他者とアイデンティティを共有し、意識を共有する感覚です。私たちはすべてつながっていて、自分自身を扱うのと同じように、敬意と思いやりをもって他者にも接するべきだという考え方です。
人が何を求めているかを察し、必要に応じて提供する心です。フィリピン人のホスピタリティはここから来ているように思います。
この価値観は、後述するフィリピンの「ウータン・ナ・ローブ」という恩義の概念によく表れています。誰かが私たちに親切にしてくれたら、たとえそれが簡単な感謝の言葉であっても、何らかの形でお返しをすることが期待されています。
Utang na loob(ウータン・ナ・ローブ):恩義
Utang na loobとは、恩義(恩返し)です。自分に親切にしてくれた人には恩返しをする義務がある、という考え方です。
この価値観は、フィリピンの後述の「パキキサマ」という、他人と仲良くするための価値観によく表れています。私たちは集団の一員である以上、集団の幸せに貢献して、困ったときには助け合うということが期待されています。
Pakikisama(パキキサマ):人と仲良くすることの大切さ
パキキサマとは、他人と仲良くすることの価値観です。私たちは誰とでも友好的で協力的であるべきであって、互いに助け合うよう努めるべきであるという考え方です。
この価値観はフィリピン社会でよく見かけられます。フィリピン人は友人や隣人、そして見知らぬ人にも喜んで手を差し伸べます。
フィリピン人がフレンドリーとして有名なのも、この価値観から来ているのでしょうね。
Dignidad(ディグ二ダッド):個人の価値と尊厳
Dignidadとは、個人の価値と尊厳の価値観です。社会的地位や経済状況にかかわらず、私たちはみんな尊敬に値する存在である、という考え方です。
フィリピンの人々は人を褒めることがよくあります。学校教育でも何かと「〇〇賞」を用意したり。
また、フィリピン人を侮辱することはタブーであることもフィリピン関係者では有名なお話です。
この価値観は次に解説するフィリピンの「マガンダンアサル」というマナーや振る舞いの価値観によく表れています。
フィリピン人は幼い頃から、礼儀正しく、敬意を払い、争いを避けるように教えられています。
Magandang asal(マガンダン・アサル):マナーと良い立ち振舞い
Magandang asalとは、良いマナーや振る舞いの価値観です。礼儀正しく、敬意を払い、行動すべきという考え方です。
フィリピンの社会では、幼い頃から年長者や教師など権威ある人に礼儀正しく敬意を払うよう教えられ、この価値観はしばしば実践されています。
例えば、フィリピン人は年長者に対して「ポ」「オポ」と言い、正式な言葉を使うのが一般的です。(※また、年上の人に対しては、相手の手を自分の額に付ける挨拶の文化があるほど)
Katibayan ng loob(カティバヤン・ナン・ローブ):勇気と決断
Katibayan ng loobは、勇気と決断の価値観です。勇気をもって強くあるべきであり、夢をあきらめてはいけないという考え方です。
例えば、フィリピン人は政府や他の強力な勢力に逆らってでも、自分の権利のために立ち上がることが一般的です。また、フィリピン人は回復力があることでも知られていて、挫折しても常に立ち直ることができます。
この価値観は、フィリピンの社会でよく見られる行動で、人々は逆境に直面しても自分の信じるもののために立ち上がることができます。長年の植民地化の歴史を持つフィリピンが独立を果たしたのも、この価値観によるものではないでしょうか。
Malasakit(マラサキット):他人への配慮と気遣い
マラサキットとは、他者への関心や気遣いを大切にする価値観です。思いやりと共感を持ち、困っている人を助けようとするべきとい考え方です。
この価値観はフィリピン社会でしばしば見られる行動で、人々は友人や隣人、そして見知らぬ人にも喜んで手を差し伸べます。
例えば、病気の時や自然災害の時など、困った時には隣人を助けるのがフィリピン人の一般的な習慣です。
また、フィリピン特有の挨拶の一つとして「ご飯食べた?」という質問があるのもフィリピンならではです。この質問の背景には、フィリピンにおいては食事が日常生活の中心的な要素であって、「きちんとご飯は食べられる環境か、忙しくてご飯を抜いていないか」という、他人の健康状態についての気遣いがあるのです。
まとめ:フィリピン人の価値観を理解する
フィリピン人の価値観を理解することで、フィリピンという国やフィリピン人の性格や特徴といったものをより深く理解することができるはずです。
旅行や観光でフィリピンを訪れる方は皆さん共通して「フィリピン人は温かく迎え入れてくれる国民で、困っている人がいればいつでも助けようとしてくれる」という感想を持つことが多いです。また、困難に直面したり挫折しても立ち直ることができる、たくましい国民性でもあります。
今回のまとめが少しでもフィリピンの価値観を理解するきっかけになれば幸いです!