ユーリです。(@firipedia18)
はじめてフィリピンに関わるまでは、フィリピンが英語も通じる国であるとは知りませんでした。というか、「そもそも何語で話すの?」というレベルです。
今ではむしろ英語もほぼネイティブ(母国語)の感覚なんだなと理解しています。
それと同時に彼らが話す国語があります。それはフィリピノ語(タガログ語)です。
ということで結論からいうと、フィリピンの公用語は英語と国語であるフィリピノ語です。2つも公用語があるという感覚、僕ら日本人にはなかなか想像できませんよね。
今回は2つも言語が使われている、その歴史的背景について見ていきたいと思います。
なぜフィリピンは英語が公用語になった?その理由
フィリピンに行けば、空港を始めとして街の看板から商品のパッケージまで、ありとあらゆる場所に英語が溢れていることに気が付きます。もちろんセブも例外ではありません。
商品パッケージだけではなく、実はフィリピノ語(タガログ語)自体も英語がほぼそのまま使われていることさえあります。
では、なぜ国語であるフィリピノ語(タガログ語)の他に英語が公用語になったのか、その背景はフィリピンという国自体の歴史的背景がありました。
フィリピン共和国独立宣言とアメリカとの戦争、そして統治
いまから100年以上も前の1898年、米西戦争が起こった際に当時スペイン領であったフィリピンをアメリカが侵攻。後にフィリピン初代大統領となるアギナルド氏はアメリカに協力することで独立を保証されると考え、フィリピン軍はアメリカ軍とともににスペイン軍を攻撃、結果スペイン軍を降伏させました。
同年12月、米西戦争の講和条約としてアメリカとスペインの間でパリ条約が締結。これによって当時スペイン領であったスペインはアメリカに2000万ドルで譲渡されることが決定しました。これはもちろんアメリカに協力することで独立が実現されるというアギナルド氏の思いとは異なるものでした。
翌1899年にフィリピン共和国は独立宣言を行い第1次フィリピン共和国が誕生します。しかし、アメリカはそのフィリピン共和国の独立を認めないわけです。そしてフィリピンとアメリカの戦争が勃発。1902年にアメリカによる制圧、フィリピンは敗北します。
ここから実質的なアメリカによる統治・植民地化が始まったんですね。フィリピン全土における徹底的な英語教育です。
その後日本の侵攻などを経て、第二次世界大戦後の1946年7月にアメリカからフィリピンが独立し現在のフィリピン共和国が成立しました。
英語は約50年間という半世紀にも及ぶアメリカの統治によって浸透したといえるでしょう。
フィリピン語の中にはスペイン語が由来のものもある
前述したように、アメリカの統治の前にはスペインによる統治下であったフィリピン。333年間にも渡る長い支配でした。そのため、現在の公用語である英語の前には、スペイン語が公用語として使われていた時代もあったんです。
僕は英語以外の言語はタガログ語が初めてだったんですが、スペイン語もそのあと少しかじっていまして、スペイン語の中にタガログ語とまったく同じ単語もあったりして驚いたのをよく覚えています。※例えばコップはタガログ語でもスペイン語でも「バーソ(baso/vaso)」です。
タガログ語を覚えたあとにスペイン語を覚える、またはその逆でも学習しやすいかも?と思ったりしています。
フィリピンとしての公用語はフィリピノ語(タガログ語)と英語
フィリピンは実は7000を超える島々からなっている国で、日本も地域によって方言があるようにフィリピンにも180を超える多くの言語の種類が存在すると言われています。
しかし、それぞれの民族が自由に話していたら国として意思疎通が図れないということもあって、政府のトップである当時のケソン大統領がフィリピノ語を国語として使用するように決定したという背景があります。
実際に、観光地であるセブに行ってもフィリピノ語は通じます(理解できるというレベル)。マニラに行けばフィリピノ語(タガログ語)がメインです。
また、1987年にはフィリピン共和国憲法で公式に公用語は以下2つと定めています。
- フィリピノ語
- 英語
参考:The Constitution of the Republic of the Philippines | Official Gazette of the Republic of the Philippines 「Language」部分
セブ島はセブアノ語
僕らのセブ島です。セブ島は何語が使われているのかと思ったかもいるかもしれませんね。セブではビサヤ地方の中の一つであるセブアノ語が使われています。
ぶっちゃけですが、フィリピノ語(タガログ語)を勉強したとしてセブアノ語にはまったく活きません。。(泣)
「まったくとは言い過ぎた!」という方も中にはいらっしゃるかもですが、ほんと違うんですよ、、語尾が変わるとかのレベルじゃないです。
お恥ずかしい話、セブメインで情報発信はしているものの、タガログ語に比べてセブアノ語のほうはまだまだ理解できていません。
なので、フィリピンでも英語以外の言葉を覚えたい!というかたは、どこで何地方の言葉を覚えるかは決めておいた方が良いでしょう。
合わせて読みたい:セブ島について
セブ島に行くなら英語もフィリピン語もセブアノ語もミックスでOK!
アメリカによる統治の影響で街中にあふれるようになった英語が、終戦後のいまでも公用語として使われているのは英語がもともと世界で使われている実質的な国際語であったことも影響しているように思います。
そして国語であるフィリピン語(タガログ語)は、セブ島の人々同士ではあまり話されていませんが、理解はできます。メインはあくまでセブアノ語です。
ということで、セブ島では実質的に使える言語は3つ!日本の地方では方言があるように、セブ島ではセブアノ語を話すと喜ばれます。
コミュニケーションを取るなら、自分が話してみたい言語を選ぶといいのかなと思います!話してみたいという気持ちの方が大事ですからね!