フィリピンへの海外移住を検討している場合、生活費用について算段をつけておく必要があります。そこで重要になるのは、日本との物価の違いを把握しておくことです。
もちろん日本と同様に、物の値段は変動することを考慮しておく必要はありますが、それでも大まかな目安を知っておかないと話になりません。
そこで今回は
「海外移住先としてフィリピンを考えてみたいけど、どのくらいの生活費用がかかるのかな?」
といった疑問をお持ちの方に向けて、現地の費用感や移住のメリット・デメリットをざっとご紹介していきます。
フィリピンの物価は?
ローカルのスーパーマーケットなどで日常的に購入するものに関しては、日本と比べて3分の1もしくは4分の1程度の物価だと考えておくと良いでしょう。野菜や肉類などは、この基準から大きく離れないと考えて差し支えありません。
たとえば、日本では果物1つしか買えないお金で、その果物を1袋買えることなど日常茶飯事です。もちろん時期によるニーズなども販売価格に影響するので、それよりも高くなることも多いでしょう。しかし、食材に対するこだわりが強くないのであれば、日本に比べて破格だと感じる安さで購入できるケースがほとんどです。
そのため、移り住んだ後の日常生活で必要な金額を知りたい場合、まずは日本での生活費を計算してみてください。それを3か4で割るだけでも大まかな目安となります。
現地で流通しているフィリピンのお金についてまとめた「フィリピンの通貨「フィリピンペソ」- お金に関する基本情報と注意点」という記事も作成してありますので、合わせてどうぞ。
住む場所や環境によって生活費は変動する
ただし、実際に住んでいる日本人はそれ以上に払っていることが珍しくありません。、日本円にして18万円ほどかかっているケースも見受けられます。
ただ、これだと日本とほとんど変わらないと感じる人もいるでしょう。日本のほうが安いという人も多いかもしれませんね。
その原因として挙げられるのは、同じ国であっても地域差があることです。
首都マニラエリアの住環境
たとえばフィリピンの首都であるマニラはその代表ともいえる都市で、海外の企業も進出していることからも駐在員や海外移住者に安定した人気があります。
マニラは交通インフラや都市の開発も盛んで周辺の人口密度が高く発展しているまさに都会。移住先を探している人には第一候補ともいえるでしょう。
また、いわゆるセレブと呼ばれる人も多く暮らしており、庭にプールがある住宅や高度なセキュリティが備わっている屋敷などが多く存在するエリアもあります。
マニラの中でも「マカティ」はたくさんの日系企業のオフィスが存在するエリアです。その中でも、「レガスピエリア」では、マニラ日本人学校や高級住宅街が存在します。
日本人をメインの顧客にしているショップが軒を連ねているのも大きな特徴です。ここに住んでいると、日本の料理を食べることにも苦労しません。日本人向けの調味料なども簡単に手に入ります。日本人がほとんどいないような田舎に暮らすケースより、多くの日本人が住んでいる街に住みたがる人のほうが多いです。
食べ物に限った話ではなく、書籍や道具などに関しても同様です。非常に暮らしやすい反面、やはりその分だけ生活費がかかってしまいます。いろいろと購入してしまうこともあり、知らないうちに出費が増えていくことが珍しくありません。
地方都市の住環境
生活費に重点を置くなら、地方都市を視野にいれるのが現実的です。
地方都市というと、かなり暮らしにくいイメージを持っている人もいるでしょう。しかし多くの場合、現代人ですら生活に苦労するような未発達の場所を選ばなければ問題はありません。
たとえば、マニラから60分ほど飛行機で移動した場所にあるセブ島といった都市でも、あまり不便に感じることなく生活できるところがあります。
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500以上のテナントが入ったかなり大きなショッピングモールも存在しますし、国立/私立の医学大学付属の高いレベルを誇る医療施設などもあるのです。
ガス、電気や水道といった最低限インフラは整っており、インターネットや電話といった通信も問題なく行えます。ときどき停電が起こることもありますが、暮らしていくうえで昔にタイムスリップしたような不便な状態にはなりません。
ただし、交通手段は電車がありませんので、バイク、ジブニー、タクシー、バスなどを利用する必要がある点は覚えておきましょう。その分、日本の交通費よりも安いため気軽に利用しやすいといえるでしょう。
単身者の生活費目安は10万円以下
前述の通り住む場所や求めるクオリティによっても生活費は変動しますが、贅沢しなければ7万円程度で十分にやっていけます。
ただ、電気代だけは日本とそれほど変わらないか、むしろ日本より高く付くこともありますが、家賃などは前述のように3分の1ぐらいの物件がたくさんあります。
一カ月の食費は2万円ぐらいを見込んでおくと良いでしょう。さらに食費を節約したい場合はローカルの食堂を利用することが考えられます。
インターネットや保険の費用などもいろいろ入れると7万円前後になるということです。
住宅の広さに対する家賃や自然に恵まれた環境などを考慮すると、1ヶ月10万円以下であっても日本での生活よりも快適と感じる可能性も高いでしょう。
フィリピン移住のメリット・デメリット
このように出費を抑えられることを魅力に感じる人が多いフィリピンですが、現段階で移住しておくことには他にもメリットがあります。
メリット1 若さが後押しする経済発展国
2012年以降は毎年6%を超えるほどフィリピンの経済成長が著しくなっています。今後は地価なども上がっていく可能性が高いです。
また、それを後押しするのが若い世代の労働人口の下支えがあり、日本で言えば1970年の高度経済成長期のタイミングともいえます。
日本がかつて体験した成長を味わえる可能性があることはメリットといえるでしょう。
移住にかかる諸経費も増えていきかねないため、早めに移り住んでおくのも一つの手です。
メリット2 国全体が英語圏
また、言葉の面で苦労しにくいこともメリットといえます。母国語は英語ではありませんが、町中の看板や商品に至るまで英語圏と呼べるほど英語が浸透しています。
そのため日本の義務教育で学んだ程度の英語が読み書きできるレベルなら、フィリピンでの生活には支障がほとんどありません。
労働可能なビザを取得している場合は、現地で仕事をして収入を得ることも想定しやすくなるでしょう。
デメリット1 食生活の違い
デメリットがあることを知っておくことも大切です。日本の食材を手に入れることが難しいので、食生活の面で慣れるのに時間がかかります。
また、国民の食の傾向として肉類に偏りがちで、野菜をあまり摂取しないことから、外食をする場合でもグリーンサラダのようなメニューに出会えないことも多々あります。
デメリット2 医療費
医療費が高く設定されていることもデメリットとして有名です。そのため、病院をよく利用する人の場合は家計が圧迫される恐れがあるので要注意です。
移住前に資金計画を
いかがでしたか?
物価が安いというイメージのフィリピンでも、自分がどのような生活を求めるのかによって日々の出費は日本にいるよりも高くなったり低くなったりもします。
実際のところ現地で手持ちの貯金が底をついてしまったという、生活困窮邦人と言われるような人々も存在しています。
文化は慣れることができますが、お金は無くなってしまったら困るものです。
移住前には移り住んだ後の生活イメージや十分な貯金を含めた資金計画を行なっていきましょう。
追記:移住可能なビザについても知りたい方へ
移住ビザについて書いています。永住権を取得するための詳細記事は下記をどうぞ。
フィリピンの永住権が取得できるクオータビザとは?手続きや費用について